過払い金請求の裁判で争点となる取引の分断とは?時効の違いに注意

過払い金請求の裁判で争点となりがちなのが、取引を分断と判断するか?一連と判断するか?という点です。というのも、どちらで判断されるかで過払い金額は変わるからです。

しかし、分断か?一連か?の判断はケースバイケースなので、簡単に判断することはできません。

そこでこの記事では、そんな「取引の分断・一連の判断方法」について解説します。また、それぞれのケースで過払い金額がどう変わるかという点も解説していきます。

過払い金請求を検討している方は、ぜひ確認してみてください。

取引の分断の概要と判断方法

まずは取引の分断について以下を知っておきましょう。

詳しく解説していきます。

取引の分断・取引の一連とは?

取引の分断・取引の一連とは、同じ貸金業者と行った取引(借入)を1つの取引と見なすかどうかということです。

たとえば、同じ貸金業者と2回取引したとします。その2回の取引が「分断」と見なされれば、1回目と2回目の取引は別々の取引になります。

一方、一連の取引と見なされれば、1回目と2回目の取引は1つの取引として見なされるのです。

詳しくは後述しますが、一連の取引と判断されれば、1回目の取引の時効は2回目の取引の時効と同じ(時効が延びる)になります。

取引の分断か取引の一連か判断するには

取引の分断・一連の判断基準について、以下を知っておきましょう。

上記の判断基準があるものの、裁判官によって判断が異なることもあるくらい、取引の分断か一連かの判断は難しいです。

そのため、自分だけで考えるのではなく弁護士や司法書士に相談した方が良いでしょう。

なお、上記は同じ貸金業者で2回取引したという前提です。以下より詳しく解説していきます。

基本契約が同一かどうか

まずは、1回目の取引と2回目の取引の基本契約が同一かどうかという点です。そもそも貸金業者と取引するときは、貸金業者と基本契約書を取り交わします。

その際、1回目の取引と2回目の取引で交わした基本契約書が同じ内容であれば、一連の取引と判断されやすいのです。

一方、取引ごとに新しい契約書を取り交わしていれば、取引の分断と判断されやすいです。

2回目の取引までの空白期間はどのくらいか

次に、2回目の取引までの空白期間はどのくらいかという点です。2回目の取引までの空白期間が1年以内の場合は、一連の取引と判断されやすくなります。

たとえば、1回目の取引を完済してから1年以内に2回目の取引をしたのであれば、一連の取引と判断されやすいです。

クレジットカード契約を継続しているかどうか

クレジットカードの場合は、取引の分断か一連かの判断はさらに難しくなります。

というのも、クレジットカードでキャッシングした場合は、カードを更新し続けている限り同じ契約(一連の取引)と判断されることがあるからです。

つまり、1回目の取引(キャッシング)と2回目の取引の空白期間が1年超でも、クレジットカードを更新していれば一連の取引と判断されることがあるのです。

このように、取引の分断・一連の判断は極めて困難なので、弁護士や司法書士に相談した方が良いでしょう。

取引の分断・取引の一連で変わる過払い金請求の時効

取引の分断と判断されるか一連と判断されるかで、過払い金請求の時効が変わってきます。

そもそも過払い金請求の時効は「最後の取引から10年」です。そのため、借金を完済しているのであれば、完済(最後の取引)から10年経過すれば時効は成立します。

その点を踏まえ、それぞれのケースで時効を見ていきましょう。

取引の分断と判断されたケース

取引の分断と判断されたケースは、取引ごとに「最後の取引から10年」で時効になります。具体的には以下の通りです。

取引の一連と判断されたケース

一方、一連の取引と判断された場合は、1回目の取引と2回目の取引は同一と見なされます。そのため1回目の取引の時効は、2回目の取引の時効と同じ日になります。

つまり、前項の事例でいうと1回目の取引の時効は、2019年ではなく2021年になるということです。

このように、取引の分断か?一連か?で時効が変わってくるため、どちらで判断されるかは重要になります。

取引の分断・取引の一連で変わる過払い金額

取引の分断・一連どちらで判断されるかによって、過払い金額は変わってきます。それぞれのケースで過払い金額がどうなるか解説していきます。

取引の一連と判断された場合

取引の一連と判断された場合は、1回目の取引で発生した過払い金を2回目の借金元本に充当できます。たとえば、以下のケースで見ていきましょう。

完済日借入金額(元本)過払い金
2009年(1回目)110万円35万円
2011年(2回目)140万円40万円

この場合、1回目の取引で発生している過払い金35万円は、2回目の借入元本に充当されます。

つまり、2回目の借入元本は105万円(140万円-35万円)に減るというわけです。借入元本が減るということは、本来支払うはずの利息も減ります。

そのため、「支払った利息-本来支払うはずの利息」で計算される過払い金も増えるということです。

取引の分断と判断された場合

一方、取引の分断と判断された場合は、1回目の取引と2回目の取引は別々の取引になります。

つまり、1回目の取引は完済日が2009年なので、2019年に時効を迎えているということです。

そのため、仮に2020年に過払い金請求した場合は、2回目の取引に対してのみ過払い金請求できます。

そうなると、前項の「一連の取引と判断されたケース」よりも、取り戻せる過払い金は減ってしまうのです。

まとめ

このように、同じ貸金業者で行った取引は、分断・一連どちらで判断されるかにより時効が変わってきます。

しかし、分断・一連の判断は非常に難しいので、個人で判断するのは非常に難しいです。

また、過払い金請求は弁護士や司法書士に依頼した方が、取り戻せる金額は大きくなりやすいです。

そのため、過払い金請求に関する悩みがあるなら、まずは弁護士や司法書士に相談することをおすすめします。

プロフィール
代表司法書士 坂本孝文
  • 司法書士法人さくら事務所
  • 代表司法書士 坂本孝文
  • 東京司法書士会所属:登録番号4535号

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