奨学金には過払い金が発生しない?返還が厳しいときの対処法を解説

学生時代に借りた奨学金の返還をしている人の中には、奨学金に過払い金は発生しないのか?と思っている人もいるでしょう。

過払い金が発生しているということは「支払い過ぎた利息」があるということなので、そのお金は返還される可能性があります。

しかし、結論からいうと奨学金に過払い金は発生しません。

この記事では、奨学金に過払い金が発生しない理由、および奨学金の返還が厳しいときの対処法について詳しく解説していきます。

奨学金には過払い金が発生しない

冒頭のように奨学金には過払い金は発生しません。まずは、その点について以下を解説していきます。

奨学金とは?

奨学金とは、奨学制度に基づいて学生に金銭的な援助をする制度です。学生時代に学費を借り入れて、社会人になってから返還している…というパターンが多いでしょう。

また、奨学金には無利子のタイプと利子が付くタイプがあります。利子がつくタイプでも上限金利は3%で、在学中は無利子です。

過払い金が発生する条件

過払い金が発生する条件は、「借金をグレーゾーン金利で借りていた(現在借入中も含む)」ということです。

グレーゾーン金利とは、利息制限法と出資法の上限金利の差分のことをいいます。具体的には以下のように、借入額によってグレーゾーン金利は変わります。

法律借入額上限金利グレーゾーン金利
利息制限法10万円未満20%20~29.2%
10~100万円未満18%18~29.2%
100万円以上15%15~29.2%
出資法関係なし29.2%

たとえば、150万円の借金をしたときのグレーゾーン金利は、15%超~29.2%になります。

つまり、15%超の金利で借金していた(いる)ならば、過払い金が発生するということです。

しかし、前項のように奨学金は「利子が付くタイプ」でも上限金利は3%になります。3%はグレーゾーン金利ではないので、奨学金に過払い金は発生しないのです。

奨学金には時効がある?

奨学金の時効は「返還期日から10年」です。

ただ、10年が経過する前に日本学生支援機構(奨学金事業をしている機構)から、支払い督促や通常訴訟など「裁判上の請求」をされたときには時効がストップします。

督促状や催告書などを送付しただけで時効はストップしません。時効がストップすると時効が一旦リセットされるので、そこから10年経過しないと時効は成立しません。

また、2008年11月に日本学生支援機構は以下の信用情報機関に加盟しました。

そのため奨学金の返還を延滞したときには、上記の機関に「延滞」という事故情報が登録されます。そうすると、いわゆる「ブラックリストに載る」という状態になります。

「延滞」によってブラックリストに載ると、5年間は「クレジットカードの作成」や「ローンを組むこと」が困難になるので要注意です。

奨学金の返還が難しくなったとき利用できる制度

前項のように、奨学金に過払い金はないので過払い金請求はできません。そのため、奨学金の返還が難しくなったときは、以下の制度を利用できるか確認しましょう。

詳しく解説します。

所得連動返還方式

所得連動返還方式とは、奨学生(奨学金の返還者)の所得に応じて返還金が決まるという仕組みです。つまり、所得が低ければ返還金も低くなるので支払いが楽になります。

ただし、返還総額は決まっているので、返還金額が下がれば返還期間が延びる点には注意しましょう。

目安としては、「課税総所得×9%」が年間返還額になります。仮に、課税総所得が300万円であれば、年間27万円(月2.25万円)が返還金額の目安です。

ただ、対象者は平成29年度以降の第一種奨学金採用者に限ります。

減額返還制度

減額返還制度とは、毎月の返還額を減額できる制度です。ただし、前項と同じく総返還額は変わらないので、返還額を減額すれば支払い期間は延びます。

1回の申し出につき、12か月間の延長が可能で最長15年間(180か月)まで引き延ばすことが可能です。

対象者は、災害・疾病・その他経済的理由によって、奨学金の返還が難しくなった人に限ります。

返還期限猶予制度

返還期限猶予制度とは、返還期限の猶予を申し出ることができる制度です。猶予が認められれば、一定期間は奨学金の返還を止めることができます。

猶予される機関は最大で10年(120か月)です。猶予されていた期間に、利息や遅延損害金などは発生しないのでご安心ください。

対象者は災害・疾病・経済的困難・失業などによって返還が困難になった人だけです。

返還免除制度

返還免除制度とは、奨学金の返還が免除される制度です。対象者は以下の通りです。

上記4点が奨学金の返還が難しくなったとき利用できる制度になります。

奨学金の返還ができず救済制度も利用できないとき

奨学金の返還ができずに前項の救済制度も利用できないときは、以下を行いましょう。

詳しく解説します。

生活を見直す

まずは自身の生活を見直しましょう。具体的には、余計な出費はないか?を見直すと良いです。

たとえば、携帯電話代は格安SIMに変更するだけで支出は抑えられます。

そのほかにも、家賃など毎月支払っている「固定費」を抑えることができれば、毎月の収支はかなり改善するでしょう。

親からお金を借りる

次に、親からお金を借りることも検討しましょう。もちろん家庭の事情によりますが、親からの援助が受けられれば奨学金返還の助けになります。

上述のように、奨学金の返還を滞納するとブラックリストに載るリスクがあるため、その点も含めて親に相談してみることをおすすめします。

債務整理を検討する

次に、債務整理を検討することです。債務整理の中の「任意整理」をすることで、裁判所を介さずに利息カットや返還期間の延長などの交渉ができます。

しかし、奨学金には機関保証と人的保証(父母や保証人)の2種類あり、人的保証の場合には要注意です。

というのも人的保証の場合で任意整理すると、保証人の親が一括返還を求められるからです。

一方、機関保証の場合は保証機関が保証人の代わりをしています。保証機関には保証料を支払っていますし、特定の誰かに迷惑がかかるわけはないので、任意整理しても問題ないといえます。

とはいえ、任意整理することで上述した「ブラックリストに載る」という状況になるため、慎重に判断するようにしましょう。

弁護士・司法書士に相談する

特に前項の「任意整理」を検討しているなら、必ず弁護士や司法書士に相談しましょう。

弁護士や司法書士なら、任意整理するリスクをきちんと説明してくれるので、任意整理すべきかどうかを判断しやすいです。

また、仮に任意整理になったときの手続きも依頼できるため、手間をかけずに任意整理できます。

前項のように任意整理は一概におすすめできませんが、迷っているなら弁護士や司法書士に相談した方が良いでしょう。

まとめ

このように奨学金には過払い金は発生しません。そのため、奨学金の返還が厳しい状態であれば、まずは救済制度を利用できないか検討しましょう。

その後、生活の見直しや親からの援助などを検討し、最終的に任意整理するかどうかを検討するという流れが良いです。

もし奨学金の返還に悩んでいるなら、無料相談できる弁護士や司法書士も多いので、まずは相談してみることをおすすめします。

プロフィール
代表司法書士 坂本孝文
  • 司法書士法人さくら事務所
  • 代表司法書士 坂本孝文
  • 東京司法書士会所属:登録番号4535号

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